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2014年06月26日

駄文を書き散

駄文を書き散
副称を巡る悶着として知られるのは、谷町線の「四天王寺前夕陽ヶ丘」である。もともと「夕陽ヶ丘」の駅名に決する予定だったのが、四天王寺の圧力で開業直前に「四天王寺前」に変更になった。しかし、これに納得のゆかない住民の声に推されて、(夕陽ヶ丘)と括弧つきの副称として表示され、最終的には括弧が外れてこういうとんでもない長い名前になった。かつて、ABCの『おはよう朝日です』に、「田中早苗の知れば知るほど地名図鑑」という名コーナーがあって、この夕陽丘が取り上げられたことがある。それによると、『新古今和歌集』の撰者としても知られる鎌倉時代初期の公卿、藤原家隆が、79歳の時に出家してこの地に庵をつくって隠棲し、翌年80才の春の彼岸に、上町台地の上にあるこの地から西に臨む「ちぬの海(今の大阪湾)」へ沈む夕陽を見て、「契りあればなにはの里に宿りきて波の入日を拝みつるかな」と謳ったのに因む地名だという。現代にあっては都心の高層建築物に遮られて叶わぬ眺望であるが、夕陽丘の地には今でも「家隆塚」があって、そんな由来に思いを馳せながら、ここから西の方を眺めれば、沈む入日の向こうの極楽浄土へ行かんと願った家隆の晩年が偲ばれるのだ。そんな美しい地名が、寺の真ん前でもないのに「四天王寺前」を強引に名乗らされるとは哀れと言う外ない。

しかるに、昨今では駅名にまでネーミングライツが導入され、由緒正しき地名を貶めるような副称がそこかしこで跋扈している。「○○株式会社前」とか「□□高等学校前」とか「△△産婦人科前」など、バスの車内放送ではあるまいし、電車に乗る度に溜め息が漏らさずにはおれない。神戸市営地下鉄新長田駅の「鉄人28号前」に至っては、狂気の沙汰としか思えぬのは私だけであろうか。

話は戻って、大阪港への転居はいよいよ10日後に迫ってきた。こんな駄文を書き散らしている暇があれば、とっとと荷造りに励めという家人からの叱責の声が聞こえてきそうであるが、会う人々から「?」と思われようと、「私の新しい住まいは、大阪港です」で通してやるという決意を胸に秘め、これから段ボールの組み立てを始めようと思う。



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